【楽しく学ぶ心理学】認知バイアス:認知的不協和
人は誰でも、ココロにクセを持っています。
自分の心をあなたは知りたくないですか?
今回は、池谷裕二先生の「自分では気づかないココロの盲点」(講談社)より、心理クイズを一問紹介します。
さあ、あなたも問題に挑戦してみて下さい。奇妙なココロの癖が明らかになるでしょう…
もくじ(CONTENTS)
問題:食にこだわる
問題
レストランが二つあります。一つは自宅の隣、もうひとつは車で15分のところです。
料理の美味しさを訪ねると、どの回答が多いでしょう。なお本人は、二つのレストランがチェーン店で、実は同じ料理を出していることを知りません。
①どちらも同じ美味しさに感じる
②近所の方が美味しいと感じる
③遠方の方が美味しいと感じる
解答解説:食にこだわる
答え:③遠方の方が美味しいと感じる
脳は自分のとった行動から、自分の心理状況を推測します。設問の状況では。「わざわざ遠くまで食べに行くくらいだから美味しいはずだ」と自分の努力を正当化します。
この現象は日常の多くの場面で見られます。
たとえば、給料は高いほうがよいとは限りません。なぜなら「安い給料で働いている」→「もし仕事がイヤならこんな安月給で頑張るはずがない」→「なるほど!仕事が面白いのだ」と無意識のうちに推測を進めることで、心理状態が変化し、仕事への愛着が増すからです。
・自分で買ったものは、無料でもらったり借りてきたりしたものよりも楽しめます。
・厳しい試験を受け手入った組織には愛着がわきます。
・苦労しても手に入らなかったら、「とくに欲しくはなかった」と評価を下げます。
こうして自分の行動に沿うように、無意識のうちに心の内面を書き換えるのです。
この現象は、恋愛テクニックにも応用できます。好きな相手には、つい手伝ってあげたくなるものですが、本当は逆です。手伝ってもらうほうが効果的なのです。なぜなら相手の心には次のような変化が生じるからです。
「こんなに手伝っている」→「嫌いな人を手伝うはずがない」→「なるほど、この人を好きなのだ!」
認知的不協和(Cognitive Dissonance)とは?
自分の本音と実際の行動が矛盾しているなど、自分の中で一致しない複数の意見を同時に抱えている状態。
【まとめと感想】
今回は認知バイアスのひとつ「認知的不協和」について紹介しました。いかがだったでしょうか?
私自身、ラーメンやうどん等、B級グルメの食べ歩きが趣味なのですが、今回紹介した問題の様に、わざわざ遠くまで食べに行くぐらいだから美味しいはずだと自分の努力を正当化してしまう。そんな気持ち、とても良く理解できます。
実際に、旅先の名古屋で食べた「味噌煮込みうどん」は地元大阪で食べた「味噌煮込みうどん」よりも美味しい、全く同じ駅弁でも、旅先で食べた時の方が、百貨店の駅弁フェアで買ってきて家で食べた時よりも、確実に美味しいと感じてしまいます。
みなさんは、そんな経験はありませんか?
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