「体験学習の循環過程」について
今回は鯖戸善弘先生の著書「コミュニケーションと人間関係づくりのためのグループ体験学習ワーク」より「体験学習の循環過程」について紹介しておきましょう。
体験学習の循環過程
グループ体験学習を支える基本的な考え方を整理しておきましょう。第一に重要なのは、「体験学習の循環過程」ということです。
この考え方は、D.コルブによる体験学習モデルがもとになっています。D.コルブは、社会の課題を実践的に解決していこうとするJ.デューイの教育論や。体験学習の出発点を生み出したK.レヴィンの業績の研究をもとに体験学習モデルを提唱しました。それによると…
- 具体的な体験をして
- その中で行ったことを内省して(ふりかえり)
- なぜ起こったかを考え一般化し(わかちあい)
- 次にどうするか試みる
という循環です。
このようにステップを踏んでいくと、“今ここ”での体験を通して様々な気付きを導きだし、分かち合いのなかで「なるほど」と腑に落ち、意識変容が促されます。そして、メンバーと次にどうしようかと、試みについてわかちあうなかで、行動変容する「勇気」を得ることができます。
それは、自己成長をした一人ひとりが構成するグループや組織あるいは地域社会(コミュニティ)の成長を促すことになります。
まとめと感想
今回は「体験学習の循環過程」について、簡単に紹介しました。いかがだったでしょうか?
私自身は、ファシリテーターとして具体的な体験学習プログラムを実施する際は、「体験学習の循環過程」について必ず参加者さんに案内するようにしています。
またプログラム自体の構成も、体験学習の循環過程に沿うように設計しています。
その理由として、「ふりかえり」や「わかちあい」のプロセスが無い体験学習は、単なるレクリエーション活動に終わってしまうことが多いからです。
【補足】
当サイトでは、体験学習・グループワークの教材として使って頂ける教材も多数紹介しております。詳しくはこちらのページも御覧ください
【もっと詳しく学びたい方へ】
体験学習の循環過程についてもっと詳しく学びたい方は、以下の書籍を手に取ってみることをオススメします。
・「コミュニケーションと人間関係作りのための体験学習ワーク」鯖戸善弘(著)金子書房
・「プロセス・エデュケーション 学びを支援するファシリテーションの理論と実際」津村俊充(著)金子書房