Jamboardで楽しむコミュニケーションゲーム~「わたしたちのまち」

今回は冊子「楽しくすすめるグループワーク」(神奈川県青少年指導者養成協議会作成)より、コミュニケーションゲーム「わたしたちのまち」を紹介しましょう。

本記事では、教室等で行う通常の遊び方に加え、オンラインで遊ぶ方法もお伝えします。

ゲーム「わたしたちのまち」の概要

「わたしたちのまち」は、各メンバーに配ったカードの情報を元に、みんなで協力して、3人の小学生が住む「街の地図」を完成させるゲームです。

  • ゲーム名:「わたしたちのまち」
  • 対象年齢:小学校4~6年生
  • プレイ人数:1グループ5~7人
  • プレイ時間:約50分

学級活動やレクリエーション時のグループワーク教材として開発されたゲームです。メインターゲットは、小学生4~6年生。

プレイ人数は、1グループにつき5~7人ですが、いくつかのチームに分かれて行うことによって、クラス全員で行うことができます。

(例:30人学級の場合…1グループ5人×6チーム等)

システム的には、ジグソーメソッド手法を使った協力型コミュニケーションゲームに分類されます。

ジグソー法を使った協力ゲームは実際、数多くあります。これらの中では、本作は「かなり易しい」です。

グループワークの狙い

本ゲームをグループワークとして行う狙いは、グループで課題を達成していく過程で、参加者に以下のことに気づいてもらうことです。

  • 言語によるコミュニケーション(伝える・聴く・質問する)の方法及び大切さ
  • グループにおける自分や他のメンバーの役割
  • グループで課題を達成するためには、協力することが大切であること
みんなで協力し「わたしたちのまち」の地図を完成させよう

ワークのタイムスケジュール

  • 導入…5分
  • 実習(ゲーム)…20分
  • 各グループの結果発表…5分
  • ふりかえり…15分
  • まとめ…5分

「導入」から「まとめ」までで、およそ50分です。その後の休憩時間を含めると、約1時間のプログラムと考えるのがよいでしょう。

ゲームの遊び方

それでは、ゲームの遊び方・手順について紹介しましょう。

教室等に集まって行うやり方(オフライン)をベースに話を進めていきますが、オンラインで行う際の注意・補足事項等も併せて紹介します。

ゲームの準備

<ゲーム前に準備しておくもの>

【オフラインで行う場合】
タイマー(先生・ファシリテーター用)
未完成の地図(A3サイズ)…1グループ1枚
素材(学校や橋等)タイル…1グループ1セット
情報カード…1グループ1セット(17枚)
正解の地図…1グループ1枚
ふりかえり用紙…ひとり1枚
グループ発表用記録用紙…1グループ1枚

【オンラインで行う場合】
ビデオ会議システム(Zoom・Teams・Meet…等)
オンラインホワイトボード(Jamboard…等)
上記準備品のデータ版

Jamboardなら、建物タイルをドラッグ&ドロップで移動できるぞ

手順1:導入(5分)

まずは本グループワークの狙いとゲームの課題・ルールを説明します。

その後、各チームのメンバーに「情報カード」を配ります。

【アナウンスの例】

今日は、これから楽しいグループワークを行います。

「わたしたちのまち」っていうワークで、みんなで協力して「街の地図」を完成させるコミュニケーションゲームです。

今回ワークを行う目的は、みんなに「コミュニケーションの大切さと難しさについて」感じてもらうこと。

もうひとつは、「課題を達成するためにはチームで協力することが大切」ってことを気付いてもらうだめです。

みんな、いいですかー😊

(メンバーの反応を見る…)

じゃあ次に、ゲームの課題とルールを説明するね!

ゲームの課題・目的は、ひとりひとりに配った情報カードの情報をもとに、みんなで話し合い、「お店や橋等」を正しく配置して、まちの地図を完成させることです。

ただし、ルールがあります。

各自の情報カードの内容については、言葉(口頭)でメンバーに伝えること。

情報カードの内容を他の人に見せたり、カードの内容を書き写してメンバーに見せたりしてはいけません。

情報を伝える時は、必ず「口頭」でお願いします。

以上で、ゲームの課題とルールを説明しましたが、何か質問はありますか?

(参加者からの質問が無ければ、「情報カード」の配布に移ります…)

<情報カードの配布>

【オフラインで行う場合】

各チームに情報カードを1セット配布します。カードの束を裏向きにシャッフルした後、各メンバーに対しなるべく均等になる様に配布するよう指示します。

【オンラインで行う場合】

ファシリテーターが、メンバーひとりひとりに対し、個別チャット等を使って情報カードの内容を伝えます。

情報カードの内容について

今回は、17枚の情報カードを使用します。情報カードの内容は以下の通りです。

  • 「田んぼ」のある交差点を東に進むと「こ橋」があります。
  • ゆいさんとそうた君は、すぐ近くの「児童館」でよく遊びますが、ひろと君も入れた3人であそぶときは「神社」で遊びます。
  • 「学校」から出発して「こ橋」を渡って最初の交差点を右に進むと「児童館」にぶつかります。
  • 「ひがし駅」入口の角に本屋とハンバーガーショップがあります。
  • 「ゆいの家」は「児童館」の向かい側で交差点の角にあります。
  • 「本屋」の西どなりに「スーパー」があり、向かい側に「ハンバーガーショップ」があります。
  • 「そうたの家」は道路をはさんで、「ゆいの家」の西側の角にあります。
  • 「ハンバーガーショップ」は「本屋」の南に位置しています。
  • 「ひろとの家」は学校の真ん前の交差点の角にあります。
  • 私鉄なんぼく線はこのまちを南北に走っています
  • ひがし駅はこのまちの一番東にあります
  • 「神社」と「コンビニ」のある交差点を曲がり、北へ向かうと右側に「ひろとの家」があります。
  • ひがし駅から西へいくと「おお橋」があります。
  • 「田んぼ」は、「ひろとの家」の北側にあります。
  • 「おお橋」を渡るとすぐ左に果樹園」があります。
  • 「果樹園」の入り口前に交差点があり、その向かい側の角に「コンビニ」と「神社」があります。
  • 東駅からまっすぐ来ると「神社」は「コンビニ」より遠いです。

手順2:ゲーム実習(20分)

情報カードの配布が終わったら、各自にカードの内容を確認してもらいます。

その時、「読めない字」や「意味不明な表現」等があれば、質問を受けます。

ファシリテーターは、「ゲームの開始」を告げ、終了時刻を知らせます。

グループの回答が完成したチームは全員で手を挙げてファシリテーターに知らせることを確認します。

グループの回答が、「正解」だった場合、「正解の地図」を配布します。

また正解になった時刻を記録しておきます。

「正解」でなかった場合、再度グループで検討するよう指示します。

ゲームの終了時刻になったら、作業が途中のチームがあっても実習を打ち切ります。

「わたちたちのまち」Jamboardテンプレート

オンラインで行う際、ジャムボード用「わたしたちのまち」テンプレートファイルを使うと便利です。

背景地図の上に、建物等の各素材がセットされています。ドラッグ&ドロップで各素材を動かして、地図を完成させることができます。

手順3:各グループの結果発表(5分)

正解できなかったグループにも「正解の地図」用紙を配布し、途中で正解を出したグループも含めて、全員で正解を確認しましょう。

その後、正解できたグループの順位を、正解までにかかった時間も含めて発表します(早く正解したチームが上位)。

手順4:ふりかえり(15分)

振り返り用紙はグーグル・フォームで作成すると便利です。

結果発表が終わったら、「ふりかえり」を開始します。

【個人記入】(3分)

まずは「ふりかえり用紙(個人用)」に各自記入してもらいます。

【グループ共有】(10分)

その後、グループ単位でふりかえりを行います。

グループ内で「司会」「記録係」「発表者」を決めてもらいます。

その後、個人用ふりかえり用紙の回答をひとりずつ順番に発表してもらいます。

【全体発表】(2分)

全体発表を行います。各グループの代表1名が、振り返りの内容を全員の前で発表します。

例):「ふりかえり用紙(グループ用)」の質問1(1)~(4)について名前ではなく人数を発表。質問2については、グループの平均点を発表するのがよいでしょう。

手順5:まとめ(5分)

ファシリテーターは、各グループの実習や発表の様子を振り返ってまとめます。実際にあったことなど、実習中の具体例を交えて話すとよいでしょう。

まとめにあたっての観点(例)として次の項目があげられます。

  • 話す:グループのメンバーに自分の意見や考えを伝えることができたか。
  • 聴く:自分以外のメンバーの意見や考えをきちんと聴くことができたか。
  • 協力する:役割分担ができていたか?協力しながら作業が進められていたか?

準備物の配布について

これまでは。オンラインで実施する際のJamboard等の各種ファイルを、ご希望の方に無料で配布しておりましたが、今後、ジャムボードのサービス終了予定があることから、終了させて頂きます。

上記ファイルをご利用頂ければ、あなたのクラスでもすぐに実施できます💖

オンライン実施にあたっての補足事項

コミュニケーションゲーム「わたしたちのまち」オンラインで実施するにあたっては…

  • ビデオチャットアプリ(Google Meet、Zoom、Skype…等)
  • ホワイトボードアプリ(Jamboard、Microsoft Whiteboard…等)
  • フォーム作成アプリ(Google Form、Microsoft Forms…等)

を使用する必要があります。これらのアプリケーションの基本的な使い方・操作方法について知りたい方は、下記のリンク記事を御覧ください。

(ビデオアプリ)

【簡単図解】Google Meetの使い方【無料版】

【簡単図解】Zoomミーティングの参加方法・活用シーン

【簡単図解】Skype Meet Nowの使い方(無料&時間制限なし)

(ホワイトボードアプリ)

【簡単図解】Google Jamboardの使い方【G-Suite】

【簡単図解】マイクロソフト・ホワイトボードの使い方【徹底解説】

(フォームアプリ)

【簡単図解】Google フォームの使い方・活用方法

【簡単図解】Microsoft Formsの使い方・操作方法

まとめ:学級活動・レクリエーションのプログラムとして

今回は、コミュニケーションゲーム「わたしたちのまち」を紹介しました。

本ゲームの特長として、各個人に配られた「情報」を繋ぎ合わせる必要があります。

そのため「参加メンバー全員が、重要な役割を果たす」ことができます。

子供たちからの評判も上々で、人気のあるコミュニケーションゲームです。

是非、先生方のクラスでも学級活動やレクリエーションの時間に、実施してみて下さい。

今回も最後まで御覧頂き、ありがとうございました💖

【あわせてよみたい】

本サイトでは、学級活動やレクリエーションの時間に楽しめる「コミュニケーションゲーム」を多数紹介しています。是非、そちらの記事も御覧ください。

また本ゲーム収録した冊子「楽しくすすめるグループワーク‐個と集団の気づきを促す‐」については、こちらのサイトよりダウンロードすることができます。

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