【論理的思考】MECE(モレなくダブリなく)
今回は論理的思考の基礎となる概念のひとつMECEについて学習しましょう。
MECEの考え方をマスターすれば、物事を全体的に俯瞰的に見ることができます。
全体を部分に分解することにより、問題点を明らかにし、解決策の糸口を見つけることができます。
もくじ(CONTENTS)
MECEとは…
MECE(ミーシー・ミッシー)とは、「相互に重なりがなく、すべてを網羅する(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)」の頭文字で、ある事象を全体集合として考えて、モレもなくダブリもない部分集合に分ける考え方です。
課題に対する答え(結論)を伝える時、その方法や根拠にモレやダブリ、ズレがあったら、相手を完全に説得することはできません。
「モレなくダブリなく」を意識して全体を分類することによって、より網羅的で説得力の高い論理展開が可能になります。
MECEを意識した事象の分類
ある事象をMECE的に分類する時の切り口として、以下の様な方法があります。
1.要素分解
要素の総和が全体になるように切り分けるやり方。
例:マーケティングの4P(Products…製品戦略、Price…価格戦略、Place…チャネル戦略、Promotion…プロモーション戦略)…等
2.因数分解
算数の因数分解の様に掛け算的に分解するやり方。
例:売上=客数×客単価×リピート頻度 等
3.時系列・ステップ
時系列やステップで分解するやり方。
例:「過去・現在・未来」「PDCA」「原材料 – 製造 – 加工 – 輸送 – 販売 – 使用 – 廃棄」…等
4.対称概念
相反する概念によって分解するやり方。
例:「メリット・デメリット」、「質と量」…等
MECEの前に全体を意識する
MECEを行って要素分解する前に、意識すべきことがあります。
それは「全体をどう捉えるか」と言うことです。
例えば、あなたが「居酒屋チェーン店」のマーケティング担当だったとしましょう。
例えば、自社競合の市場を…
「居酒屋市場」と捉えるのか?
「外食市場」と捉えるのか?
それとも「余暇市場」と捉えるのか?
全体の捉え方ひとつで、その後の分解が変わります。当然、導き出される戦略や方針も違うものになるでしょう。
MECEの限界
また、「モレなくダブリなく」を意識するあまり、全体を広く捉え過ぎたり、細かい部分まで網羅しようとするのも問題です。
あくまでもMECEは、ロジカルシンキングベースの分析ツールに過ぎません。
MECEは「目的」ではなく単なる「手段」です。
その辺のところを割り切って使う必要があるでしょう。
私は、重要な部分さえ、網羅できれば、「それで良し」と考えます。
まとめ
- MECEとは、「モレなくダブリなく」のこと
- MECE的な分類として、「要素分解」「因数分解」「時系列」「対称概念」等がある
- MECEを行う前に「全体を定義」する
- MECEは「目的」ではなく単なる「手段」
- MECEの限界を意識し、重点思考で考えよう
今回も最後まで御覧頂き、ありがとうございます💖
<追伸>
創造的思考や論理的思考の各種フレームワークについて興味のある方は、「コチラ」の記事を御覧ください。