【楽しく学ぶ心理学】正常性バイアス

人は誰でも、ココロにクセを持っています。

自分の心をあなたは知りたくないですか?

今回は、池谷裕二先生の「自分では気づかないココロの盲点」(講談社)より、心理クイズを一問紹介します。

さあ、あなたも問題に挑戦してみて下さい。奇妙なココロの癖が明らかになるでしょう…

問題:生きるべきか死ぬべきか

火災報知器が鳴っています。
どちらの反応をする人が多いでしょう。

①誤報かな?様子を見よう…
②火事だ!逃げよう!

解答解説:

答え:①誤報かな?様子を見よう

脳は警告を楽観的な方向に解釈し、起こりうる災害を過小評価しがちです。

「あんな人と結婚したら一生後悔するよ」と周囲から警告されても、将来起こりうる悲運を、その場ではなかなか判断できません。

とくに経験したことのないレベルの危機や災害に対しては、「これまで起きたことがない災害は今回も起きない」と判断し、準備や対応を怠ります。これは個人のレベルだけではなく、会社や政府などの意思決定の現場でも起こります。その結果、事態を悪化させてしまうこともあります。

野生動物の世界では、「逃げる」という対応をとらずにその場でじっとしていたほうが、結局、敵に見つかることなく襲われずに済んだ場合もあったでしょう。

この「対応しない」という戦略が生存競争の優れた解法の一つとして、ヒトの脳に残っているのでしょう。

「正常性バイアス(Normalcy Bias)」

「ブラックスワン理論(Black Swan Theory)」

自分では気づかないココロの盲点(講談社・池谷裕二)より

正常性バイアスとは

正常性バイアスとは、認知バイアスの一種。社会心理学、災害心理学などで使用されている心理学用語で自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性のこと。

自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視し、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。「正常化の偏見」「恒常性バイアス」とも言う。(Wikipediaより)

ブラックスワン理論とは?

ブラックスワン理論は、「ありえなくて起こりえない」と思われていたことが急に生じた場合、「予測できない」、「非常に強い衝撃を与える」という理論。とりわけ予測できない金融危機と自然災害をよく表している。

ヨーロッパでは白鳥は白い鳥だけと思われていたが、1697年にオーストラリアで黒い白鳥(コクチョウ:ブラック・スワン)が発見される。以来、ありえなくて起こりえないことを述べる場合、“ブラックスワン”という言葉を使うようになった。

感想雑記

みなさんの選択は、どちらだったでしょうか?

私の回答は、①誤報かな?様子を見よう…

火災報知機が鳴り響いても、火事だと思う前に、誤作動かな?訓練かな?等と思ってしまいます。

やっぱり「正常性バイアス」が働いてしまいました。

激甚災害が次々と起きる世の中に…

しかし最近、大きな災害が頻繁に起きています。

昔は単なる梅雨だったのが、豪雨災害に…

また台風も大型化し、大きな爪痕を残す…

東日本大震災で街ごと津波に飲み込まれる…

そして、コロナウイルスの世界的パンデミック…

「前例のない…」

「何十年ぶりの…」

そんな形容句が日常的な地球環境になってしまいました。

人災はともかく、天災に関しては、正常性バイアスの罠に囚われるのは、危険です。

災害発生に普段からの備え、発生したら早めの避難…これが絶対不可欠だと感じています。

天災は私たち人間に対して忖度してくれることはありません。

もっとも、今日頻繁に発生する自然災害は、元をただせば人間が原因を作りだしたものかもしれませんが…

今回も最後まで御覧頂き、ありがとうございました💖

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