究極の選択:二択コミュニケーションゲーム「オストラコン」
もくじ(CONTENTS)
はじめに…
私たちの日常は選択の連続です。
「賛成か反対か」「白か黒か」「洋食か和食か」…等
今回はそんな「選択」をテーマにしたコミュニケーションゲーム「オストラコン」を紹介しましょう。
尚、「OSTRAKON」は以前daVinci出版からリリースされたゲームですが、本作は研修やワークショップのアイスブレイク等でも気軽に活用して頂けるよう、ルールをアレンジ・簡略化しております。
また、本記事はゲームの概要やルールは勿論、ファシリテーター・講師の皆様が運営する際のポイント等も紹介していますので、一読すれば、すぐに活用して頂けます。
ゲームの概要:「究極の二択ゲーム」
職場では、その計画に賛成するか反対するか?
ランチタイムは、洋食にするか中華にするか?
今日の夜は、映画を観るかゲームを遊ぶか?
わたしたちの日常は、そんな選択の連続です。「オストラコン」はそんな選択のシーンを題材にしたコミュニケーションゲームです。出題者が出した様々なお題に対して、あなたはどちらを選択しますか?
多数決を行い、あなたが多数派なら得点をゲットすることができます。ただし、満場一致の場合は、得点は0点に。なるべく回答が分かれる質問を出しながら、上手く多数派になることが高得点の秘訣です。
<オストラコン:言葉の意味>
本ゲームのタイトル「オストラコン」とは、古代ギリシャ語で「陶片(陶器のかけら)」のことを意味します。オストラコンには、言葉や模様等が刻まれていることが多く、そのため考古学的な手がかりになる場合があります。
またギリシャのアテナイでは、投票を行う際、市民は陶器の破片に人物の名前を書いていたと言われています。
【参考・引用】ウィキペディア「オストラコン」より
ゲームの流れ(ルール)
それでは本ゲームのルール・流れを紹介しましょう。プレイ人数は3人以上であれば、何人でも遊ぶことができますので、大人数が集まる研修やパーティ等の席でも楽しむことができます。
ゲームの準備
まずは各プレイヤーに陶片カード(通常はトランプ等で代用)を2枚(選択肢A・B)を配ります。
次に、質問者(親)になる順番を適当な方法で決めます。
ゲームの流れ
その1:二択の質問
親になったプレイヤーは、「二択の質問」を全てのプレイヤーに対して行います。
(質問の例)
「うどん」(A)と「そば」(B)どちらが好きですか?
その2:議論の時間
その後、そのお題に対して全員で議論します。議論の時間は自由ですが、ひとつの質問に対して通常は2~3分程度が目安となります。
その3:投票タイム
議論が終わったら投票タイムに入ります。投票の方法は、プレイヤー全員が自分の投票カード1枚(A又はB)を裏向けにしてテーブルのうえ等に置きます。
その4:採決の時間
全員の投票が出そろったら、一斉に投票カードをオープンにします。
多数派のプレイヤーは、得点をゲットできます。
その時の得点は、少数派の人数が得点となります。ただし質問者(親)プレイヤーの場合は、人数×2倍の得点をゲットできます。
例:うどん(A)…4票、そば(B)…3票の場合、うどんに投票したプレイヤーは3点(親の場合は6点)をゲットできます。
【備考】
・選択カードA・Bが同票数だった場合は、誰も得点できません。
・全員一致で投票が重なった場合は、勝者ですが得点は0点です。
その5:親プレイヤーの移動
その1~4の流れ(ラウンド)が終了したら、質問者(親)が次のプレイヤーに移ります。
その6:ゲームの終了と勝利条件
その1~4の流れを繰り返し、各プレイヤーが親を1回ずつプレイしたらゲームが終了します。
ゲーム終了時点で合計得点が一番高いプレイヤーが勝者!
ゲームに勝つためのヒント
ゲームを楽しく盛り上げ、かつ自身が勝利するためにはいくつかのポイントがあります。その方法をいくつか紹介しておきましょう。
ヒント1:悩ましいお題で勝利する
本ゲームは、少数派の人数=得点となります。そのため、質問者(親)になった時は、投票がなるべく割れるような質問を行い勝利するのがポイントとなります(親の時は得点が2倍になるので)
ヒント2:議論タイムを上手く使おう
議論タイムで、他のプイレイヤーの意見を聴く、自分の考えを述べることは、勝利への近道です。積極的にみんなの意見に耳を傾けたり、その意見によって他のプレイヤーがどちらに傾きそうか推測したりしましょう。あまり意見がでない時は、自ら質問を投げかけるのも一つの方法です。
ヒント3:投票時に意見を変えてもよい
自分の考えはAだけど、Bの方が多そうだから、投票はBにする。
これは「あり」です。ゲームに勝つには、まず「勝ち馬に乗る」ことが大切なので、躊躇なく乗り換えて下さい。
ファシリテーターの皆様へ
ゲームを娯楽として純粋に楽しむだけなら、これから案内することは特に意識する必要はありません。ただし、研修や教育の現場でプログラムの一環として行う場合、以下のことを参加者に伝えるとよいでしょう。
ゲームを行う目的と狙い
ここで言うゲームの目的とは、ゲームの勝利条件のことではありません。教育・研修のプログラムで行う際、ゲームは体験学習の場でもあります。参加者に「何を学んでほしいのか」を伝えるとよいでしょう。
目的と狙いの例
「まずは、ゲームを楽しみながら、お互い打ち解けて、話しやすい雰囲気を作りましょう!」
「本ゲームを通じて、他の人の意見を傾けたり、自分の意見をはなしたり…コミュニケーションの練習をしましょう!」
「価値観の違う人が集まって、協働しながら仕事を進めていきます。まずは、人それぞれ考えや価値観が違うことを楽しみましょう!」
コンテンツとプロセス
ゲームそのもの(コンテンツ)を楽しむことも大切ですが、その時、どんな事を考えたか、どんな気持ちになったか…等、心のプロセスにも着目するように伝えましょう。すると参加者に新しい気付きが生まれます。
「わかちあい」と「ふりかえり」
ゲーム終了後に「ふりかえり」の時間を設けるとよいでしょう。ゲームを通じて「気付いたコト」「感じたコト」等をグループでシェアしましょう。研修等のアイスブレイクとしてふりかえりを行う場合は、2~3分程度の短い時間でOKです。
おわりに(まとめ)…
今回は、究極の二択ゲーム「オストラコン」を紹介しました。いかがだったでしょうか?
大人数でも遊べるコミュニケーションゲームです。また学校・職場・パーティで…と時と場所も選ばず楽しむことができます。
是非、みなさんも一度プレイしてみて下さいね!
また本サイトでは、研修や学校でも使える楽しいコミュニケーションゲームを多数紹介しております。是非、そちらの記事も御覧ください。