【楽しく学ぶ心理学】認知バイアス:リアクタンス
人は誰でも、ココロにクセを持っています。
自分の心をあなたは知りたくないですか?
今回は、池谷裕二先生の「自分では気づかないココロの盲点」(講談社)より、心理クイズを一問紹介します。
さあ、あなたも問題に挑戦してみて下さい。奇妙なココロの癖が明らかになるでしょう…
もくじ(CONTENTS)
問題:やめられないとまらない
問題
禁煙エリアでタバコを吸っている人がいます。
次のどちらの声の掛け方のほうが、素直にタバコをやめてもらうことができるでしょうか?
①まわりの人への迷惑になりますからお控え下さい
②こちらは禁煙エリアになっております
解答解説:やめられないとまらない
答え:②こちらは禁煙エリアになっております。
人は自分で考えて自分の意思で行動していると思いこんでいます。自己主体性を妄信しているのです。そんな自信満々の脳は、他人から指示されることが嫌いです。
だから、単に「〇〇をしてください」「〇〇をやめてください」と言われると、「何の権利があって私に指図をしているのか」と反発したくなるのです。
この心理的傾向を「リアクタンス」と呼びます。
心理的リアクタンスとは?
自分の選択や行動の自由を制限されるように感じると、制限するものに対して反発し、逆らう行動を取ろうとすることです。
強い禁止は逆効果
「私が機を織り上げるまで、決して部屋をのぞかないでくださいね」
「この玉手箱は決して開けてはなりません」
前者は「鶴の恩返し」、後者は「浦島太郎」の一節である。
物語の登場人物が「開ける」という行動を禁止されたのにも関わらず、守ることができなかったのは、果たして好奇心に負けたせいだけなのだろうか?
人は、本来持っている選択や行動の自由を他人に脅かされたとき、その自由を回復しようとして、あえて妨げられた行動をしようとすることがあります。
これを心理的リアクタンスと呼びます。
おかんの説教に反発した経験!
「タバコは体に悪いからやめた方がよい」
「そんなに醤油かけたら塩分の取りすぎになるで…」
…等、家族から説教されて、ムッとした経験はないだろうか?
私はあるあるである。言われたことは正論だけど、なぜか腹が立ってしまう。これこそ正に、心理的リアクタンスですね。
すなわち、相手のことを思って言ったアドバイスが逆効果になってしまうことがあるのは、こういった仕組み(心理的リアクタンス)が働くから…
なるほど納得しました。
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