ビジネス事例で学ぶ「戦略思考クイズ3」(中古市場の未来)
もくじ(CONTENTS)
はじめに
現代社会は、複雑で変化の激しい時代です。またグローバル化の進展や技術革新の加速により、企業を取り巻く環境は日々変化しています。
このような環境下で企業が生き残るためには、常に変化に対応し、柔軟な経営を行う必要があります。現代ビジネスマンにとって必須となりつつある「戦略思考スキル」について、ビジネスシーンで実際にあった事例クイズを解きながらトレーニングしていきましょう!
今回は、中古市場の未来について考えていきましょう。
事例問題:中古マーケットの未来
「ブックオフ」の苦境がニュースで報道されることが増えています。売上高は過去3年で頭打ち。ブックオフが得意とする「中古」のマーケットには未来はないのか…。ニュースを見ながらそんなふうに考えた方がいるかもしれません。ではここで考えてみて下さい。
日本の中古市場全体は今、縮小しているのでしょうか。それとも伸びているのでしょうか?
問題のヒント
苦境の影に、急成長をしているライバルはいませんか?
解答:中古市場の売上は伸びている
2018年にフリマサービスで知られるメルカリが東証マザーズに上場しました。メルカリは過去2年間、売上を6割から8割も伸ばしながら成長しています。
現在のブックオフの苦境はメルカリに顧客が奪われたという点が大きいといいます。
理由は、ブックオフに売りに行くよりもメルカリの方が高く売れることが多いからシェアエコノミー全体はむしろ伸びているということです。
解説:隠れた競争相手を見つける思考力は戦略思考の基本
隠れた競争相手を見つける思考力とは、自社の事業と一見関係なさそうに見えるものも含めて、広く競争相手を捉え、分析する能力です。従来の競合分析とは異なり、以下の点に重点を置きます。
1. 業界・業種にとらわれない
自社の製品・サービスと直接的に競合する企業だけでなく、顧客のニーズを満たす代替的なソリューションを提供している企業も競争相手とみなします。例えば、音楽配信サービスにとって、競合相手は他の音楽配信サービスだけでなく、ラジオ、YouTube、TikTokなども含まれます。
2. 潜在的な脅威を察知する
まだ市場に参入していない企業や、新しい技術・ビジネスモデルを開発している企業なども、将来的な競争相手となる可能性があります。常にアンテナを張り、業界動向を注視することが重要です。
3. 顧客視点に立って考える
顧客にとって自社の製品・サービスがどのような価値を提供しているのかを理解し、その価値を代替的に提供できるものは何かを考えることが重要です。顧客のニーズや課題を深く理解することで、思いがけない競争相手を発見することができます。
4. 想像力と仮説思考を活用する
既存の枠にとらわれず、自由に発想することが重要です。「もし〇〇だったら?」という仮説を立て、様々な角度から競争相手を検討してみましょう。
隠れた競争相手を見つける思考力を養うための方法
- 業界外の企業や、自社とは異なるビジネスモデルを持つ企業を研究する
- 顧客インタビューやアンケート調査を行い、顧客のニーズや課題を深く理解する
- 競合分析ツールを活用して、自社の競争状況を分析する
- 業界動向に関するニュースやレポートを定期的にチェックする
- シナリオプランニングなどの手法を用いて、将来の競争環境を予測する
- 隠れた競争相手を見つけることは、自社の強みや弱みを把握し、競争優位性を築くために重要です。上記の方法を参考に、ぜひ競争相手分析を深めてみてください。
引用・参考文献
今回紹介した戦略思考クイズは、「戦略思考トレーニング 最強経済クイズ【精選版】」(日本経済新聞出版)から引用・出題しました。本書には、その他にも、実際のビジネス戦略をテーマにしたクイズが沢山掲載されています。戦略思考スキルを鍛えたいと思う方は、一度ご覧になってはいかがでしょうか。
【追伸】
当サイトでは、この他にも戦略思考クイズ問題を紹介しています。興味のある方は、是非こちらの記事も御覧ください。