ビジネス事例で学ぶ「戦略思考クイズ9」(米国スーパーマーケットの事例)

現代社会は、複雑で変化の激しい時代です。またグローバル化の進展や技術革新の加速により、企業を取り巻く環境は日々変化しています。

このような環境下で企業が生き残るためには、常に変化に対応し、柔軟な経営を行う必要があります。現代ビジネスマンにとって必須となりつつある「戦略思考スキル」について、ビジネスシーンで実際にあった事例クイズを解きながらトレーニングしていきましょう

今回は、「米国スーパーマーケット」の顧客管理を取り上げます。

事例問題「会員カードの秘密」

日本でもアメリカでもスーパーマーケットはポイントカードを導入していますが、日本ではポイントカードを提示する顧客もしない顧客もいて、完全には顧客の購買情報を把握できていません。ところがアメリカのスーパーマーケットの場合、ほぼ100%の顧客がレジでポイントカードを提示するので、そのお店で顧客が何を買ったのか購買情報がしっかりと把握できるようになっています。

なぜアメリカのスーパーでは顧客がみなポイントカードを提示するのでしょうか?

解答:会員カードを提示しないと特売価格にならない

アメリカのスーパーの特価価格はコーラ1.89ℓサイズが1.99ドルとかの特価表示の横に「会員カード提示の場合」と但し書きがあります。会員カードを提示しなければ特売価格ではなく、コーラは2.89ドルといったもともとの販売価格になってしまいます。

 日本のようにポイントを1%還元するのではなく、特売価格の権利がなくなるという制度のおかげで、日本よりもアメリカのほうが個人情報をきちんと入手できているわけですね。

コラム:会員カードが増えて困ってしまう…

スーパーやドラッグストア、家電量販店…等、今や大手の小売業は全て会員カードを発行しています。そのせいか、面倒くさがりも私の財布の中にも、いくつもの会員カードが入っています。

ただ私の場合、ドラッグストアなど、1%程度のポイント還元なら、面倒だと思い、会員カードを作っていないお店も多数あります。

ただ、上記の問題の様に、会員になっていないと特売価格がなくなるとなったらどうでしょう。いくら面倒臭がりの私でも、会員カードをつくるでしょう。

事実、ポイント還元率の高い某家電量販店などは、ポイント目当てで、その店で購入することが多かったりしますから…

人間ってほんと現金ですね(笑)

<引用・参考文献>

今回紹介した戦略思考クイズは、「戦略思考トレーニング 最強経済クイズ【精選版】」(日本経済新聞出版)から引用・出題しました。本書には、その他にも、実際のビジネス戦略をテーマにしたクイズが沢山掲載されています。戦略思考スキルを鍛えたいと思う方は、一度ご覧になってはいかがでしょうか。

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